父親になってから、好きな時間がいくつかあります。
特別なイベントではありません。
むしろ、とても日常的な時間です。
それは、寝る前の絵本の時間です。
布団に入って、子どもが「これ読んで」と持ってくる一冊。
読み始めると、体をくっつけてきて、絵を指さしたり、先のページをめくろうとしたり。
仕事で疲れている日でも、この数分間だけは穏やかな気持ちになれます。
子どもにとっての時間であると同時に、自分にとっても大切な時間です。
この記事では、2人の子どもと一緒に読んできた中で、特に良かった絵本を紹介します。
書評サイトのようなレビューではなく、「父親として読んでみて、どうだったか」という視点で書いてみます。
0〜2歳|まだ言葉がわからなくても、絵本は届いている
0〜2歳の頃は、物語を理解するというよりも、色、形、音の響きに反応する時期でした。
正直なことを言うと、読んでいる側からすると意味不明なストーリーも多いです。でも、日本語の音を耳で知るという意味では、この時期に読んだ絵本にはとても意味があったと思っています。
選ぶ基準は「物語のおもしろさ」よりも、
絵のわかりやすさと、色のビビッドさでした。
1・だるまさんシリーズ
かがくいひろし(作)
「だるまさんが」「だるまさんの」「だるまさんと」の3冊。赤ちゃん絵本の定番中の定番です。
「だ・る・ま・さ・ん・が……」のリズムに合わせて体を揺らすと、子どもが声を出して笑う。まだ言葉が出ない時期でも、体ごと反応してくれる絵本でした。
2・ブルーナのあいうえお
ディック・ブルーナ(作・絵)
ミッフィーでおなじみのブルーナの、あいうえお絵本。シンプルな色と形が、小さな子どもの目にとても入りやすいようでした。
「あいうえおを教える」というよりも、「文字の形を絵として見る」きっかけになった本です。
3・はらぺこあおむし
4・パパ、お月さまとって!
エリック・カール(作・絵)
エリック・カールの絵本は、色がとにかく鮮やかです。ページをめくるたびに目が引きつけられる。
「はらぺこあおむし」は穴の開いた仕掛けがあり、指で触る楽しさもありました。「パパ、お月さまとって!」はページが大きく開く仕掛けに子どもが興奮していたのを覚えています。
また私自身が子どもの頃に好きだった本を世代を超えて読めるのが嬉しかった記憶もあります。
5・もこ もこもこ
作・谷川俊太郎
6・ぽぽぽぽぽ
7・たべたのだあれ
作・五味太郎
谷川俊太郎さんの「もこ もこもこ」は、読むたびに不思議な気持ちになります。
ストーリーがあるようでない。
でも、「もこ」「にょき」「ぱく」といった音の響きが、子どもの耳に確実に届いているのが分かりました。
五味太郎さんの「ぽぽぽぽぽ」「たべたのだあれ」も同じで、ビビッドな色使いと音のリズムが子どもを惹きつけます。
大人が読むと「これ、何の話だろう」と思うのですが、子どもにとっては音と色がすべて。意味よりも感覚で楽しむ絵本だと思います。
3〜4歳|「読む」より「一緒に楽しむ」絵本
3〜4歳の頃は、ストーリーをじっくり聞くというよりも、絵を見て声を出したり、仕掛けを触ったり、「一緒にやる」ことが楽しい時期でした。
1・いち、にぃ、サンタ!
作・ひらぎみつえ
2・ ころちゃんはどこ?
作・エリック ヒル
ストーリーよりも、絵や動きに興味を持っていた時期にぴったりでした。ページをめくると何かが動く、飛び出す。それだけで子どもの目が輝きます。
「読み聞かせ」というよりも、「一緒に遊ぶ」感覚に近い絵本です。
3・新幹線でゴー!
作・デザイン資格研究所
電車が好きな息子にとって、ドンピシャの一冊でした。
日本地図の中に電車の絵が描いてあって、それを探すのがとても楽しそうでした。「これ、はやぶさ!」「こっちはドクターイエロー!」と、読み聞かせというよりも、親子で一緒に探す時間になります。
乗り物好きな子どもがいる家庭なら、まず外れないと思います。
4・いもとようこの日本昔話シリーズ
絵・いもとようこ
ごんぎつね、ももたろう、はなさかじいさん、カチカチ山など。
昔話は物語が少し怖いものもありますが、いもとようこさんの可愛らしい絵のおかげで、子どもにとって読みやすくなっています。
息子が特に好きだったのは、桜の絵が綺麗な「はなさかじいさん」と、うさぎがおじいさんの敵討ちのために頑張る「カチカチ山」。
日本の昔話に最初に触れるなら、このシリーズはとても良い入り口だと思います。
5・ちょっとだけ
瀧村有子(作)/ 鈴木永子(絵)
兄弟がいる家庭には、ぜひ読んでほしい一冊です。むしろ、親向けかもしれません。
お兄ちゃん・お姉ちゃんになって、親の意識が下の子に向かう。その中で上の子が感じている小さな葛藤。この絵本は、それをはっきりと見せてくれます。
読んでいる途中で、自分の方がぐっときてしまいました。
上の子にも、もっと優しくしてあげよう。そう思わせてくれる絵本です。
6・つみきでとんとん
7・せんろはつづく どこまでつづく
鈴木まもる(作・絵)
鈴木まもるさんの絵本は、文章がリズミカルで声に出して読みやすいのが特徴です。
子どもも拙いながら、絵本のフレーズを楽しそうに真似して言っていた姿が印象的でした。
「読んでもらう」から「自分でも言ってみる」に変わる、そのきっかけになった絵本です。
5歳〜|物語を通じて、子どもと話が広がる絵本
5歳を過ぎると、ストーリーの理解力がぐっと上がります。
「なんで?」「どうして?」が増えて、読んだ後に会話が広がるようになりました。
5歳〜
1・のらねこぐんだんシリーズ
作・絵・工藤ノリコ
いたずらをして、いつも最後は怒られてしまうのらねこぐんだん。そのパターンが子どもにはたまらなく面白いようです。
「これはやっちゃダメだよね」「でもちょっと面白いね」と、読んだ後に善悪について自然に話ができる。しつけっぽくならずに、「やっていいこと・悪いこと」を話題にできるのが良いところです。
2・としょかんライオン
作・ミシェル・ヌードセン/ ケビン・ホークス(絵)
わけがわからないタイトルですが、これが意外と深い絵本です。
図書館にライオンがやってくる。ルールを守っている限りは受け入れられる。
でも、ある日そのルールを破らなければならない場面が訪れる。
ルールを守ること。ルールを破ること。それは簡単なようで、簡単ではない。
子どもにとっても、大人にとっても、考えさせられる一冊です。
3・しょうぼうじどうしゃ じぷた
作・渡辺茂男/ 絵・山本忠敬
1966年の絵本ですが、子どもが気に入って何度も図書館で借りています。
はしご車やポンプ車のように華やかではない、小さな古いジープの消防車「じぷた」。
劣等感を抱えながらも、自分にしかできないことを見つけるお話です。
「みんな違って、みんな役に立つ」ということを、押しつけがましくなく伝えてくれます。
60年近く読み継がれているのも納得です。
4・ヨシタケシンスケさんの絵本
作・絵・ヨシタケシンスケ
「おしっこちょっぴりもれたろう」「りゆうがあります」「りんごかもしれない」など。
どこか哲学的で、子どもには滑稽に映り、大人には考えさせられる。そのバランスが絶妙です。
息子は絵を見て大笑いしていますが、読んでいる私の方が「たしかにそうかも……」と考え込んでしまうことがあります。親子で同じ本を読んでいるのに、見えている景色が違う。それがヨシタケさんの絵本の面白さだと思います。
5・鈴木のりたけさんの絵本
作・絵・鈴木のりたけ
最近は「大ピンチずかん」が有名ですが、わが家で好評なのは「ぼくのいえ」「ぶららんこ」「すーべりだい」。
ユーモアがあふれる表現で、子どもと一緒に声を出して笑って読む絵本です。
ひらがなが大きくてリズミカルなので、文字に興味を持ち始めた子どもが自分で読もうとするきっかけにもなりました。
一覧表|紹介した絵本まとめ
| 年齢 | タイトル | こんな子に・こんな家庭に |
|---|---|---|
| 0〜2歳 | だるまさんシリーズ | リズムに合わせて体を動かす子に |
| 0〜2歳 | ブルーナのあいうえお | シンプルな色と形が好きな子に |
| 0〜2歳 | はらぺこあおむし パパ、お月さまとって! | 鮮やかな色と仕掛けが好きな子に |
| 0〜2歳 | もこ もこもこ / ぽぽぽぽぽ たべたのだあれ | 音の響きを楽しむ時期に |
| 3〜4歳 | いち、にぃ、サンタ! ころちゃんはどこ? | 仕掛けを触るのが好きな子に |
| 3〜4歳 | 新幹線でゴー! | 電車・乗り物好きな子に |
| 3〜4歳 | いもとようこ 昔話シリーズ | 日本の昔話に最初に触れるなら |
| 3〜4歳 | ちょっとだけ | 兄弟がいる家庭に(親向け) |
| 3〜4歳 | つみきでとんとん せんろはつづく | リズミカルな言葉が好きな子に |
| 5歳〜 | のらねこぐんだんシリーズ | いたずら好き、繰り返しが好きな子に |
| 5歳〜 | としょかんライオン | ルールや優しさについて話したいとき |
| 5歳〜 | しょうぼうじどうしゃ じぷた | 自分に自信がない子に、そっと |
| 5歳〜 | ヨシタケシンスケ作品 | 親子で笑いたいとき |
| 5歳〜 | 鈴木のりたけ作品 | ひらがなに興味を持ち始めた子に |
絵本の時間は、いちばん手軽で、いちばん贅沢な時間
豪華なおもちゃを買わなくても、遠くのテーマパークに行かなくても、絵本1冊で子どもとの時間は満たされます。
図書館で借りれば、お金もかかりません。
仕事が忙しくて、平日は子どもとほとんど話せない日もあります。
でも、寝る前の10分だけは、絵本を通じて同じ世界を見ることができます。
子どもが「もう1回読んで」と言ってくれる時間は、たぶんそう長くは続きません。
だからこそ、今この時間を大切にしたいと思っています。
ここで紹介した絵本は、どれも図書館で借りられるものばかりです。
図書館で表紙を見ながら、子どもとお気に入りの1冊を探すことがわが家の楽しみの一つです。
気になったものがあれば、まず1冊、寝る前に読んでみてください。

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