※この記事は、私自身の投資経験をまとめたものです。特定の金融商品をすすめるものではなく、投資助言に該当するものでもありません。投資判断は、ご自身の状況に合わせて、ご自身の責任で行ってください。
- S&P500とオルカンで迷った私が半々にした理由
- 個別株で失敗したあと、投資信託にたどり着いた経緯
- S&P500とオルカンを半々にした場合の米国株比率
- 家族持ち会社員が「続けられる配分」を選ぶ意味
新NISAを始めるとき、多くの人が一度はつまずく場所があります。
「S&P500か、オルカンか」
調べれば調べるほど、どちらにも一理あると感じて、手が止まる。私もそうでした。
10年以上インデックス投資を続けてきて、それでも最後まで決めきれませんでした。
独身のころなら、もう少し思い切った選び方をしていたかもしれません。
ただ、家族ができて、教育費や住宅ローン、生活防衛資金のことを考えるようになると、投資に求めるものも変わりました。
大きく勝つことより、長く続けられること。あとから後悔しにくいこと。
結論から書きます。私は半々にしました。
合理的な最適解ではないかもしれません。それでも私にとっては、「あっちにしておけばよかった」という後悔を消すための選択でした。
この記事では、個別株での失敗から始まった私の投資経験と、最終的に半々を選んだ理由、そして半々にすると実際の米国株比率がどうなるかを書いていきます。
個別株で50万円が半分になった、投資デビューの失敗
私の投資は、失敗から始まりました。
社会人2年目から3年目のころです。投資というものを「大人の遊び」のようにイメージしていました。値動きを追いかけて、うまく立ち回れば増やせるものだと思っていたのです。
選んだのは個別株でした。なけなしの貯金50万円を、まとまった額で投じました。
結果は、半分です。50万円が25万円になりました。
当時の私にとって、25万円は簡単に取り返せる金額ではありません。悔しさと恥ずかしさ、投資=ギャンブルという決めつけから、私は一度投資を辞めました。
ただ、そのまま終わりませんでした。半年ほど経ったころ、悔しさが勉強に変わったのです。何が悪かったのかを知りたくて、本を読み始めました。
その先で出会ったのが、投資信託でした。
投資信託との出会いから、旧NISA・新NISAへ
ここで一旦、私の投資歴を整理しておきます。
本を読む中で、投資信託という仕組みを知りました。一つの銘柄に賭けるのではなく、多くの銘柄にまとめて分散する。個別株で痛い目を見た私には、この考え方が腑に落ちました。
最初に選んだのは「世界経済インデックス・ファンド」です。当時はまだ、今のように「オルカン」と呼ばれる全世界株式のファンドは存在していませんでした。選択肢そのものが、今よりずっと限られていたのです。
積立はソニー銀行で続けていました。毎月、決まった額を自動で買い付ける。それだけの地味な作業です。
転機になったのは、両学長(リベラルアーツ大学)の動画でした。当時のNISA制度(現在でいう旧NISA)があることを知り、口座開設を決めました。
ソニー銀行の口座は解約し、その資金をNISA口座に移しました。
そして2024年、新NISAが始まりました。私はそこへ移行し、今も積立を続けています。
つまり私の「10年以上」は、新NISAの10年ではありません。旧NISA、さらにそれ以前からの通算です。新NISAが始まったのは2024年なので、まだ少ししか経っていません。
なぜ「どちらか」に決められなかったのか
さて、本題です。
新NISAに移行するとき、私は改めて配分を考えることになりました。S&P500か、オルカンか。
最初に持っていたのは、漠然としたイメージでした。
S&P500は米国に集中しているぶん、リスクもリターンも大きいだろう。オルカンは全世界に分散しているぶん、値動きは穏やかだろう。おおよそ、そんなイメージを持っていました。
ところが、調べていくうちにこの認識が揺らぎました。2つの値動きには、思っていたほど大きな差がなかったのです。性質の異なる別物というより、かなり似た顔をした商品に見えてきました。
そうなると、ますます決められません。
ネット上には、オルカン派の主張もS&P500派の主張もありました。そしてどちらにも、一理あると感じてしまう。「結局どっちなんだ」と、何度も検索をやり直しました。
最終的に私がたどり着いたのは、こういう結論でした。
合理的ではない選択かもしれない。
でも半分ずつ買うことで、後々「あっちにしておけばよかった」という後悔を消せるかな。
理屈で勝てる答えを出すのは、私には無理でした。それなら、どちらに転んでも「選ばなかった方」を悔やまずに済む形にしよう。そう考えたのです。
合理性を重んじる人からは、中途半端だと言われるかもしれません。優れた商品を2つ半分ずつ持てば、それぞれの良さが薄まるだけだ、という指摘も理解できます。
それでも私は、納得感の方を取りました。
「半々」の裏側——実は米国株が約8割になっていた
ただし、半々にしたあとで気づいたことがあります。
オルカンの中身は、全世界に均等に分散されているわけではありません。時価総額の大きい国の比率が高くなるため、米国が占める割合はおおむね6割強です。
ということは、どうなるか。
| 保有している商品 | 米国株の割合 |
|---|---|
| S&P500(全体の50%) | ほぼ100%が米国 |
| オルカン(全体の50%) | そのうち6割強が米国 |
| 合計 | 米国株が約8割 |
50% + 50%×6割強で、おおよそ8割前後。そういう計算です。
分散したつもりが、実はかなり米国に寄っていた。これが「半々」の裏側でした。
※オルカンの構成比は時期によって変わります。最新の数字は、運用会社が公開している月次レポートでご確認ください。
正直、これを知ったときは少し驚きました。自分では中立的な配分を選んだつもりだったからです。
(※投資商品の内容を知らないまま投資することは危険です。)
それでも私は、この配分を変えていません。
米国がこれからも世界経済の中心であり続ける保証は、どこにもありません。ただ、私にはその先を当てにいく力がない。10年前に個別株で半分にしたときに、それは学んだつもりです。
未来を当てにいかない。今の自分が納得できる形を選ぶ。そう決めているので、米国8割という事実も含めて、今はこのまま続けています。
家族がいるからこそ、続けられる配分を選びたい
配分を決めるとき、私が一番気にしたのは利回りではありませんでした。
独身のころなら、もっとリスクを取っていたと思います。増えても減っても、困るのは自分だけだからです。
でも今は、教育費があり、住宅ローンがあり、日々の暮らしがあります。
そうなると、基準が変わりました。
- 大きく勝つことより、途中で怖くなってやめないこと
- 自分が納得して続けられること
- 家族に説明できること
この3つです。
半々という配分は、最も効率のよい答えではないかもしれません。ただ、わが家にとっては一番続けやすい形でした。
なお、ここで書いているのは、NISAで積み立てている投資信託の中での配分の話です。生活防衛資金や、教育費として持っている個人向け国債は、別の枠で考えています。
評価額−2万円を経験しても続けられた理由
ここまで淡々と書いてきましたが、途中で揺れなかったわけではありません。
投資信託の積立を始めたときの金額は、月1万円です。おそるおそる、という表現がちょうどいい金額でした。
それでも、評価額がマイナス2万円になったことがあります。金額としては大きくありません。ただ、当時の私には十分こたえました。
ドキドキするような、嫌だなぁと思うような、複雑な感情が入り混じっていたのを覚えています。
そのとき支えになったのは、本で読んだ一節でした。長期で投資をすれば、過去はプラスに転じてきた、という趣旨の言葉です。
もちろん、これは過去の実績についての話であって、未来を保証するものではありません。今ならそう書けます。ただ当時の私は、その言葉を信じて積立を止めませんでした。
正直に書くと、ここから一直線に今の形になったわけではありません。
その後、結婚してしばらく経ったころ、私はまた個別株に手を出しました。今度は高配当株です。定期的に配当が入る仕組みに、素直に魅力を感じてしまいました。
問題は、そこへ投じた金額でした。
妻から「その額はリスクが大きすぎる」と苦言を呈されたのです。そのときは素直に聞けたわけではありません。ただ、言われてみれば、一度50万円を半分にした人間が同じ轍を踏みかけていました。
結局私は、つみたてNISAでの投資信託の積立に戻りました。
今の方針を決めたのは、自分の判断だけではありません。家族の声が一度ブレーキをかけてくれたから、ここにいます。
値動きに一喜一憂しなくなってから、少しずつ増額していきました。
原資になったのは、財形貯蓄と保険を解約して生まれたお金です。保険をどう見直したかは保険をほぼ全部解約した話|共働き夫婦が必要な保障を見直した結果にまとめています。
守りを固めるためのお金を、少しだけ未来に回す。そういう入れ替えを、時間をかけてやってきました。
ただ、高配当株を完全にやめたわけではありません。今は月1万円ほどの配当が入る程度の規模で持っています。運良く含み益になっていますが、狙って当てたものではありません。
積立の軸は投資信託。そのうえで、小さく楽しむ部分を残している。それが今の形です。
まとめ|「勝てる配分」ではなく「続けられる配分」を
S&P500とオルカンを半々にする。これは、比較サイトが示すような最適解ではないかもしれません。
半々にすれば、実質の米国株比率は約8割になります。純粋な分散という意味では、中途半端です。
それでも私は、この配分に納得しています。
理由は一つで、後悔しないからです。どちらが伸びても、選ばなかった方を悔やまずに済む。その状態が、私には積立を続けるうえで一番効きました。
今は楽天証券で、月初に積み立てています。もっと給料が上がれば感じ方も変わるかもしれませんが、今の家計の中ではこれが理想的なバランスだと考えています。比率を変える予定は、今のところありません。
お金の増え方だけでなく、その選択で自分がどれだけ落ち着いていられるか。私はそれを心の利回りとは何か|お金・家族・働き方を整理して見えてきたことと呼んでいます。
積立の原資をどう作るかについては固定費は何から見直すべきか|家族持ち会社員が無理なく支出を整える順番を、教育資金の実践例は子どもの教育費をどう準備しているか|わが家の実践と考え方を、あわせてどうぞ。
最後に一つだけ。これは、誰にでも半々をすすめるという話ではありません。オルカン一本が合う人も、S&P500一本が合う人もいると思います。
決めきれない自分を、責めなくていいと思います。
決めきれないなら、決めきれないなりの形がある。私にとっては、それが半々でした。

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