生活防衛資金は、何ヶ月分あればいいのでしょうか。
よく言われるのは、3ヶ月から6ヶ月くらいです。
たしかに、一つの目安としては分かりやすい数字だと思います。
ただ、私はそれより多めに持っています。
わが家では、生活費の10ヶ月から1年分くらいを、現金や債券で持つようにしています。
理由は、特別な投資判断があるからではありません。
もっと単純で、もっと生活に近い理由です。
何かあったときに、家族が焦らずに暮らせる状態を作っておきたい。
そのために持っています。
今回は、生活防衛資金は何ヶ月必要なのか。
そして、わが家がなぜ10ヶ月から1年分を目安にしているのかを書いてみたいと思います。
生活防衛資金とは何か
生活防衛資金とは、収入が途絶えた場合でも一定期間生活を維持できるお金のことです。 ここでは特に、現金や債券など、低リスクですぐに使えるものを指しています。
たとえば、会社を辞めたとき。
病気やケガで働けなくなったとき。
転職活動をしている期間。
こうした状況でも、生活がすぐに破綻しないようにするための資金です。
私はこれを、人生のクッションのようなものだと考えています。
何かあったときに、衝撃をやわらげてくれる存在です。
一般的には3ヶ月から6ヶ月と言われる
生活防衛資金の目安として、3ヶ月から6ヶ月という数字はよく出てきます。
たしかに、急な出費や一時的な収入減に備えるという意味では、現実的なラインです。 特に、固定費がそこまで大きくなく、収入も比較的安定している人なら、その範囲でも十分かもしれません。
一方で、家族がいる場合は少し話が変わってきます。
自分一人なら、節約を強めて乗り切れることもあります。 でも、家族がいるとそう単純ではありません。
住まいの費用があります。 子どもにかかるお金もあります。 毎日の生活は、急には小さくできません。
正解は人それぞれです。 生活費の水準、家族構成、働き方によって、安心できるラインは変わります。
だからこそ、一般論だけで決めるのではなく、自分の家計と性格に合わせて決めるものだと思っています。
わが家が10ヶ月から1年分を目安にしている理由
わが家では、生活費の10ヶ月から1年分くらいを生活防衛資金として意識しています。
少し多めかもしれません。 でも、今の自分にはこのくらいがちょうどいいと感じています。
理由の一つは、病気やケガへの備えです。
夫婦のどちらかが体調を崩して、一時的に働けなくなることは、誰にでも起こり得ます。 そのときに、すぐ家計が苦しくなる状態は避けたいと思っています。
もう一つは、判断を急がなくて済むようにしたいからです。
何か問題が起きたとき、お金の余裕がないと、気持ちまで追い詰められます。
本当は少し立ち止まった方がいい場面でも、急いで結論を出してしまいやすくなります。
でも、1年分の生活費があれば、少なくとも「明日どうしよう」とはなりにくい。
体調を整える時間がとれる。 家族と将来について話し合える。
自分の働き方を見直すことができる。
この余白があるかどうかで、人生の選択肢は大きく変わると感じています。
そしてもう一つ、妻の言葉に支えられている部分もあります。
以前、「もし仕事を変えることになったらどうしようか」と話したことがありました。
そのとき妻は、
「共働きだし、私の収入もあるから、決断を急がなくても大丈夫だと思うよ」
と言ってくれました。
その言葉を聞いたとき、少し肩の力が抜けました。
自分一人で全部を背負わなくてもいいのだと思えました。
同時に、妻にも負担をかけたくないという気持ちもあります。
だからこそ、焦らずに備えておきたい。
10ヶ月から1年分という数字は、そうした気持ちの上に成り立っています。
最後に、これは自分の性格もあります。
私はどちらかといえば心配性です。 3ヶ月分あれば安心できる人もいると思います。 でも、自分にとってはそれでは少し落ち着きません。
安心できる数字は、人によって違います。
だから私は、自分の性格も含めて、10ヶ月から1年分を基準にしています。
守るお金と、育てるお金を分ける
わが家では、生活防衛資金を主に現金と債券で持つようにしています。 投資資金とは分けて考えています。
もしものときに必要になるお金なら、値動きの大きい資産に置いておくのは少し違う気がするからです。 必要なときに、安心して使えることの方が大事です。
そのため、まず生活防衛資金として決めたラインを下回らないように意識しています。 そして、それを超えた分をNISAの積立に回しています。
守るためのお金と、育てるためのお金を分ける。 わが家では、この考え方が合っています。
増やすことも大切です。 ただ、その前に、崩れない土台を持っておきたい。
生活防衛資金は、そのための資金です。
生活防衛資金が変えたお金の使い方
生活防衛資金を意識するようになってから、お金の使い方も少し変わりました。
必要以上の見栄を張らなくなった気がします。
洋服は、基本的にユニクロで十分だと思っています。
Tシャツやズボンは、日常で使うには十分高品質です。
無理に高いものを選ばなくても、気持ちよく過ごせると感じています。
一方で、お金をかけたいものもあります。
たとえば寝具です。毎日の睡眠に関わるものには、少し気を使いたいと思っています。
あとは、カバンや靴です。日々歩く中で疲れをためにくいものは、結果的に生活の質に返ってくる気がします。
何にお金をかけるか。何はシンプルでいいか。
その基準が、以前よりはっきりしてきました。
見栄のために使うより、安心のために残しておく。
その方が、暮らし全体は落ち着くからです。
たかだか数字。でも家庭の平穏につながっている
生活防衛資金は、たかだか数字です。
通帳や口座の中に並んでいる数字にすぎません。
でも、その数字があるだけで、気持ちは案外変わります。
何かあっても、すぐには崩れない。 少し時間をかけて考えられる。
焦らずに日々を回せる。
そう思えるだけで、家の空気は少し穏やかになります。
最近、子どもに「お父さんがお迎えに来ると嬉しいなぁ」と言われたことがありました。
何気ない一言でしたが、私にはとても印象に残っています。
お金の安心があるから、心に余裕が持てる。
心に余裕があるから、家族との時間を大切にできる。
生活防衛資金は、お金を増やすためのものではありません。
むしろ、お金を使ってでも守りたい「落ち着き」を支えるものです。
おわりに
生活防衛資金は何ヶ月必要か。 その答えは、一つではないと思います。
3ヶ月で安心できる人もいるでしょう。 6ヶ月がちょうどいい人もいると思います。
1年分あった方が落ち着く人もいるはずです。
大切なのは、一般論の数字をそのまま採用することよりも、自分の暮らしに合った基準を持つことなのだと思います。
わが家にとっては、10ヶ月から1年分の生活費が一つの目安です。
それがあることで、日々の不安が少しやわらぎます。
必要以上に見栄を張らず、自分たちに合ったお金の使い方を選びやすくなります。
生活防衛資金は、資産形成の土台です。
そして同時に、家族の安心を支える土台でもあります。
何かあったときのためのお金。 でもそれは、今を落ち着いて生きるためのお金でもあるのだと思います。

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